「二重の虹」

5月18日の体育祭まで、3週間となりました。生徒にとって最も魅力ある行事です。6年生の体育祭実行委員長と副委員長が、今年のテーマを「原点回帰」としました。「熱い、勢いのある女同士の闘いという伝統を呼び起こす」という願いを込めたそうです。

2人は各々の持ち味を生かして、体育祭を創りあげようとしています。人の気持ちをよく理解して調整する力を持つ委員長、的確な状況判断で迅速に解決する力を持つ副委員長。大きな行事を運営するには、最良のペアです。

私は2人と話していて、「二重の虹」を思い出しました。色の鮮やかな方を「こう」、色の薄い方を「げい」と言うそうです。1人が鮮やかに役割をこなしている時、もう1人は控え目に役割をこなしています。相補的に支え合う2人の協働は、その場にいる人々に清澄な頼もしさを届けてくれるでしょう。

「二重の虹」には、卒業と祝福という意味もあるそうです。「今までの自分の努力が報われる節目」と「これから幸せが訪れる節目」という意味です。5月18日は委員長と副委員長にとって、他の生徒たちにとって、観戦している方々にとって、そして、私たち教職員にとって特別な日となりそうです。希少価値のある「二重の虹」が、船橋アリーナに架かるかもしれません。

「山笑う」

4月13日から授業が始まりました。全学年、全クラスの授業を見学しました。授業開始時の「お願いします」、終了時の「ありがとうございました」という気持ちのよい決意と感謝の挨拶から、生徒の意気込みを感じました。

「鉱物が好き、生き物が好き、理科がものすごく大好き、理科は人生を豊かにするんだよ」と語る先生の熱い思いに、ぐんぐん引き込まれていく中学1年生がいました。「富士には月見草がよく似合う、なぜかな」という質問に、知識と経験を総動員して自分の思考の殻を打ち破ろうとしている中学2年生がいました。「みんな、昨年度と違う感じだね」という先生の言葉に、間髪を入れず「だって大人だもん」と宣言する中学3年生がいました。「近所の寺にあって、東大寺にないものは」という問いに即答する高校1年生がいました。

生徒の元気の源は、「伸びたい」という気持ちです。「山笑う」という季語があります。木々が一斉に芽吹いて山一面が笑っているような春の情景を表す季語です。春は、生徒一人ひとりの新鮮な思いが一斉に芽吹いて、学校全体が生徒の笑顔で満たされる、一番元気を感じる季節です。

「どんな生徒も伸びたいと思っている、その元気の源を、褒めて、励まして、育む」

108年目の女子校における、私の信念です。