「蕾(つぼみ)」

夏休み前、高校2年生が訪ねて来ました。授業を担当しているわけではないので、用件を予測できませんでした。その生徒は、「ある大学の全国高校生英語弁論大会に応募したいのです。テーマは、“Thinking Globally, Acting Locally”です。どんなことを書いたらいいのか迷っています。」と話し始めました。

生徒が自らの意志で、アカデミックな課題に取り組もうとしている時に、「こういうことを書いたらいいんじゃない」と示すことは、愚の骨頂です。生徒の成長の機会を奪うことになるからです。独創性を封じ込めてしまう可能性があるからです。試行錯誤という伸長のプロセスを埋没させることになるからです。

生徒と私はまず、「グローバル」について話し合いました。ホワイトボードを使って、その本質に迫っていこうとしました。たまたま居合わせた下級生たちは、先輩と校長との一対一の熟議に興味津々でした。「実は過去、蕾は現在、花は未来」と記した人がいます。私はこの生徒の「蕾(つぼみ)」を膨らませることに集中しました。花を咲かせてしまわないように細心の注意を払いました。花は自分で咲かせるものです。蕾を大きくすることが私たち教師の役割です。夏休みという長い時を経て、この生徒がどのくらい蕾を大きくし、どんな花を咲かせたのか。こんなことを考えながら、夏休み最後の日を過ごしています。