「どうせやるなら思いきり」

小学6年生の皆さん、中学入試に向けて一所懸命、自分のやるべきことを実行していますか。「よし、計画通りに頑張るぞ」と強い決意を持って毎日を過ごしている人は、自分を励まして、勉強を続けている自分をもっともっと育ててあげてください。「なかなか計画通りにいかないな、どうしよう」と迷っている人は、まずは三日間、脇目もふらずに勉強してみてください。やる気を出そうと思う前に行動してみるのです。最初は辛いかもしれませんが、「三日間だけだからやってみよう」と我慢してやっているうちに、夢中になっている自分に気づきます。その時の自分の気持ちを大切にしてください。

高校3年生の大学受験生でも同じように苦しむ時があります。また、働いている大人でも「このくらいでいいかな」と挫折する時があります。いくつになっても、「せっかくの機会だから頑張ろう」と積極的に考えて、努力を継続することは難しいのです。そんな時、「やるべきことは自分の気持ちとは関係なく、変わらないんだ」と思える瞬間があります。変わらないのであれば、「どうせやるなら、思いきりやってみるか」と開き直ることができる人がいます。消極的な考え方かもしれませんが、物事のとらえ方を変えて行動してみるという点では積極的です。主体的です。自主的です。

「どうせやるなら、六日間続けてみよう。どうせやるなら、規則正しく生活してみよう。どうせやるなら、得意なところをもっと得意にしてみよう。どうせやるなら、苦手なところの基礎だけでも着実に固めてみよう・・・」

「どうせやるなら思いきり!」この言葉を胸に抱いて、夏休みを過ごしてみるのはどうですか。夏休みが終わった時に、開き直ってやり遂げた自分を、「思いきり」褒めてあげましょう。

「自発的な気づき」

生徒たちはたくさんのライフロール(人生で果たす役割)を抱えて大忙しです。小学生でも多くの役割をこなして生活しています。そんな中でも、ただ行動しているのではなく、いろいろなことを感じています。

サッカーワールドカップのポーランド戦終盤を見て複雑な思いを感じたり、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2014年12月に打ち上げた「はやぶさ2」の、小惑星「りゅうぐう」到着の知らせを聞いてわくわくしたり、今年は太宰治生誕109年に当たると知って、夏休みに読んでみようと興味を抱いたり・・・。

生徒によってはこの感覚の段階で終わらない場合があります。ポーランド戦に関するさまざまな報道を調べて、自分の立場を明確にしようとする生徒もいます。また、「はやぶさ2」がこれから果たす役割を知って、その難しいミッションに激励の気持ちを抱く生徒もいます。また、太宰治に何となく暗いイメージを持っていたのに、調べていくうちに「太宰治は本当に素直になりたい時に何度でも立ち返ると良かった」という意見に出会い、その意味を自分でも実感してみたいと思う生徒もいます。

「なぜポーランド戦に複雑な思いを感じたのだろう」「なぜ世界がはやぶさ2に注目しているのだろう」「なぜ太宰治が『素直』に結びつくのだろう」という疑問が、生徒の感覚を思考に変えているのです。その広がりの途中で、自発的な気づきが生まれます。そして、その気づきが新しい自分を形づくることになり、周囲に目を向ける余裕を生み出し、世界への優しさを温かいものにしていくのです。生徒のこのような自己深化の過程に関わっていくことに、私たち教師は大きな喜びを感じています。