「打たれ強さ」

数年前ですが、本校の高校3年生と志望大学について話をしていました。その生徒は、地道な努力を中学1年生からずっと続けてきた、学力のある生徒でした。学校の授業と授業担当者にすすめられた参考書や問題集を併用するだけで、学力を高めてきた生徒でした。

受験する大学はすべて難関私大で、現役合格を目指しており、受験科目は国語・英語・社会で、バランスのとれた学力を持っていました。私は、今までの努力の成果が確実に偏差値に表れていると感心しましたが、褒めることはしませんでした。それどころか、このままでは第一志望校合格が危ういと思ったので、「このままじゃ、第一志望校は無理だ」という厳しい言葉を発しました。

両親からも先生からも勉強のことで叱られた経験がなかったようで、かなりショックを受けた様子だったので、今後の学習について具体的にかつ詳細に相談をして、受験までの学習方針を明確にしました。

その生徒は見事第一志望校に合格しましたが、その報告に来てくれた時、「生まれて初めて勉強のことで、先生から厳しい注意を受けました。しばらくは立ち直ることができませんでしたが、『やるしかない』と気持ちを切り替えて頑張りました」と話してくれました。家庭でも学校でも叱られた経験がなかったのです。「すごいね、優秀だね」と褒められたことしかなかったのです。高校3年生で初めて挫折を味わったのです。

自分の思い描いた通りにいかなかった時に、這い上がろうとする活力が「打たれ強さ」です。立ち止まらなければいい、諦めなければいい、もう一回やればいい、叱られても褒められてもやることは同じだと思えばいい。努力を続けていると、こんな「打たれ強さ」が自分の心の中に必ず育ってきます。皆さんの心の中にも・・・。