「年の瀬」

平成最後の年末が迫ってきました。本校は2期制なので、冬休み前に終業式ではなく全校集会を行います。中村では全学年全クラスがそろう全校集会はこの12月の集会だけです。高校国際科の生徒たちが1年間留学しているからです。高校2年生が12月に帰国し、高校1年生が1月に出発するため、冬休み前の集会でしか全校生徒がそろわないのです。

この年に一度の日に、私は次のような話をしました。「年の瀬は閑かに自分の心を見つめる大きなトランジション(節目)です。最後の3日間、こんな意識を持って過ごしてください。12月29日は反省の日。晦日は感謝の日。大晦日は決意の日」

「反省」とは、1年間の自分の言動を振り返り、自分が謙虚になることです。「感謝」は、自分を支えてくれた人々に対して「ありがとう」という気持ちを抱き、言葉と行動に表すことです。感謝の気持ちは心を穏やかにしてくれます。伝えた人にはもちろん伝えられた人にも笑顔が生まれます。そして、「決意」とは、明日への一歩を踏み出す意気込みです。12月31日の明日は「元日」です。よって、新しい年への強い気持ちを持って、平成30年を締めくくることになります。

これから起こるさまざまな人生のトランジションを、単にやり過ごしてしまうのはもったいないです。一つひとつのターンイングポイントを貴重な機会とみなして、自分自身を高めていくためのきっかけにしていきましょう。「世の中には絶対に適わない人が一人いる。それは未来の自分だ」

皆さま、よいお年をお迎えください。

「胆がない」

「肝胆相照らす(かんたんあいてらす)」とは、互いに心の底まで打ち明けて深く付き合うという意味です。「魂胆(こんたん)」は、心中に持っている企みや良くない意図という意味です。そして、「心胆を寒からしめる(しんたんをさむからしめる)」とは、心の底から驚かせ恐れさせるという意味です。これらで使われている「胆」は「こころ」を指します。また、「胆がない、胆が備わっていない」とは、「まごころ」がないという意味です。つまり、うそのない誠実な心を持っていないという意味です。

「正しさ」は時には人に厳しさを感じさせることがあります。正しいことを貫こうとすれば、人にも改善を求めてしまうことがあります。しかし、「まごころ」は人に安らぎをプレゼントしてくれます。誰もが自分に対して誠実でありたいと思っています。自分を大事にしたいと感じています。自分を粗末に扱うのではなく、自分を大切にしたいと感じています。自分の人生を切り刻んだり、自分を裏切ったり、自分をごまかしたり、自分にうそをついたりしないように過ごしたいと希求しています。自分に誠実な人には自然に「まごころ」が生まれます。その「まごころ」は他者の心にも届きます。家族や友だちだけでなく、多くの人と「まごころ」でつながっていく人。「胆がある」人は、地球市民として国境を意識することなく過ごしていくことができます。