「矜持」

「天使はここに(朝比奈あすか著)」という本について、書評家の吉田伸子さんが次のようなコメントをお書きになっていました。

『高校1年生から7年間、同じファミリーレストランで働き続けている主人公真由子。馬鹿がつくほど生真面目で、人間関係も不器用。今どき女子とは思えないほど、おしゃれや恋愛にも疎い。けれど、彼女の胸にはいつも、仕事への矜持がある。幼い頃から自分にとって特別な場所だったファミレスを、誰よりも大事にしているのだ。いつも貧乏くじばかりひかされるのだが、真っ直ぐに、仕事に取り組んでいく。そんな彼女の姿から、働くことの真の意味が、ひたひたと伝わってくる。私たちの社会を支えているのは、世の中にいる無数の真由子たちなのかもしれない。』

真由子には「矜持(きょうじ)」があります。自分の能力を信じて持つ誇りがあるのです。人は、自負やプライドを持つと強くなります。真正面から物事に取り組むことができます。その勢いは自分の前進を加速させるだけでなく、周囲の人の背中を押すことにもなります。そして、そのような連鎖が社会における一人ひとりの役割の意味を明らかにしてくれます。「縁の下の力持ち」の時もあるでしょう。「グループの牽引車者」としてリーダーシップを発揮することもあるでしょう。どんな役割でもこなせる自信を大切にしましょう。

「自分を信じる。自分の言葉に責任を持つ。自分の行動にプライドを持つ。今の自分を肯定する。未来に向かって邁進する。」このプロセスが自分の能力をさらに高め、未来の自分を支えるとともに、他者をも支えることに繋がります。