「アルカイック・スマイル」

「アルカイック・スマイル」という言葉があります。これは、紀元前6世紀の古代ギリシャのアルカイック美術の彫像に特徴的に見られる表情で、一見すると無感動・無表情に見えてしまう控え目な「笑み」のことです。不安定な人間の感情を可能な限り排除して、根本的な幸福感を求めた、優しく穏やかな笑みとも言われています。

「合格の知らせに破顔一笑する」という例文が、旺文社の国語辞典に載っていました。そこには、「顔をほころばせて、にっこり笑うこと」という意味が書いてありました。この笑顔には「嬉しい」という喜びの感情が含まれています。その意味では、アルカイック・スマイルとはちょっと違うニュアンスを持っていると言えるでしょう。

私たちは、「気がつくと微笑んでいた」という瞬間を経験することがあります。電車内で、隣のお母さんに抱っこされている赤ちゃんにニコッとされた時、無意識のうちに顔をほころばせている自分がいたりします。公園で散歩途中の子犬に見つめられた時、口角が上がっている自分に気づいたりします。自分の感情から離れたところで、幸福感を感じているのかもしれません。もちろん、根本的な幸福感とまではいかないと思いますが、アルカイック・スマイルに近いものだと言えるでしょう。

「笑み」は心が幸せな状態の時に生まれます。その意味で、笑みは幸福感の「結果」だと言えるでしょう。でも、微笑むことによって幸せな気持ちになる時もあります。つまり、笑みは幸せの「原因」にもなれるのです。勉強をしていると、ちょっと自信がなくなって辛い気持ちになる時もあるでしょう。そんな時こそ、自分にアルカイック・スマイルを贈ってあげましょう。