「したい」と「できる」

私たちは「したがりや」です。あんなことがしたい、こんなこともしたいと、いつも思っています。ある時は、「あんなことができれば」、「こんなことができれば」と、夢というオブラートに包んでしたいことを列挙します。そして、「あれもできない」、「これもできない」と言っては、自分の不自由な境遇に不平不満を吐露したりします。

以前、ある生徒と面談していた時に、こんなことを言われました。「先生、したいと思ってもできないこともありますよ。私は勉強している時に、そういう思いにとらわれます。したいのに、なかなかできないんです。だから、気が沈んでしまうんです。自由に羽ばたくどころかどんどん海面が遠ざかって底に沈んでいくように感じるのです。それである時、やけっぱちになって、できることをしようと割り切るようになりました。それを続けていると段々、『できることをしたい』と考える自分が創られてきました。」

したいことができない不自由さを感じていた生徒が、できることをしたいと思って行動する自由を手に入れたのです。そして、したいと思って自主的に行動を続けていると、「できたこと」が蜘蛛の巣のように繋がって、「できること」が増えていったそうです。その中には、「したいなあ」と思っていたことや、「できればなあ」と願っていたことが含まれていたそうです。

チャレンジ精神も大切ですが、できることを主体的にこなしていく粘り強さも、その人の大切な宝物になるようです。