「冬芽」

秋に生まれ、一冬越して、春になって成長する芽を「冬芽(とうが・ふゆめ)」と言うそうです。桜の花を見つめる人はたくさんいます。若葉が好きな人も多いでしょう。一方、葉をつけていない木にまなざしを向ける人は少ないかもしれません。しかし、枯れたように見える木々も、実は生命再生の力を芽に蓄えて、春への準備を着実に進めているのです。

小さな葉をむき出しにして冬を越そうとしても、厳しい寒さで凍ってしまったり、鳥に食べられてしまったりして、春を迎えることができないことがあります。そうならないように、木々は厚い衣や毛皮をまとって、葉やつぼみを覆います。その方法は樹木によってさまざまで、多彩な冬芽の形に表れています。つまり、冬芽には木々の個性があるのです。

受験生の皆さん、皆さんの「冬芽」はどんな形をしていますか。どんな防寒着をまとっていますか。この問いに答えられるのは、皆さんだけです。皆さんが今までやってきたこと、今やっていること、そしてこれからやろうとすることが、皆さんだけのたった一つの冬芽を創っていくからです。

一朝一夕にできるものではありません。一歩一歩着実に歩んでいくプロセスが、個性豊かな冬芽を創っていくのです。そして、その中で、みずみずしい葉を育て、勢いのあるつぼみを膨らませていくのです。受験生の皆さん、上を向きましょう。葉のない木々にまなざしを向けましょう。そして、冬芽の生命力から元気をもらいましょう。皆さんの努力は春に、そして未来に向かっています。