「大丈夫!」

受験生の皆さんへ

ずっと机に向かって勉強していると、集中力を保つのが難しい時があるでしょう。そんな時にお勧めしたいことが5つあります。

①深呼吸をする

②1~6までの数を、ゆっくり数える

③手や顔を洗いに行く

④机から離れて、飲み物を飲んでくる

⑤鏡を見る

この5つの行動をぜひ試してみてください。短い時間で穏やかな気持ちになります。そして、心に余裕が生まれてきます。うまく組み合わせてやってみてください。「こんなことで、勉強に取り組む気持ちが変わるのかな?」と思うかもしれませんが、意外と効き目があるのです。

もっと効果を高めたい時には、「笑顔」を作って鏡を見てみましょう。鏡に映った自分の笑顔が、自分を和ませてくれます。行動に勢いを与えてくれます。机に戻って、椅子に座ったら、普通の声量でよいので一言発してください。「よし、やるぞ!」と。

皆さんなら「大丈夫!」

今日の皆さんは昨日の皆さんより成長しているのですから!

明日の皆さんは、今日の皆さんよりもっと成長しているのですから!

「確かな一歩」

問題を解いていて分からないことに出会うと、安心して心穏やかに勉強することができなくなります。「もうすぐ入試なのにどうしよう」「今まで頑張ってきたのになぜ解けないのだろう」「努力すれば分かるようになるのだろうか」この時期、中学受験であろうと、高校受験であろうと、大学受験であろうと、すべての受験生が経験するハラハラする瞬間です。

以前ある生徒が、受験勉強の心得を教えてくれました。「先生、受験勉強をしていて分からない問題に出会ったら、私は『ラッキー、これでまた一歩前に進める』と思うようにしていました。そうすると、『今、この瞬間に、分からない問題をできる問題にしておけば、入試当日まで着実に学力は伸長するんだ』と思えるようになり、不安にならずにすむのです。むしろ、安心してその後も勉強できるのです」

人生においては、受験に限らず、ドキドキする瞬間、心乱される場面がいくつもあります。そんな時にこそ、その不安を「一歩」に変えてみてください。皆さんが今、力を尽くしている営みは、決して受験だけに通用するものではありません。生きていく上で、数々の壁を乗り越えたり、壁に穴を開けて通り抜けたり、壁を迂回したりするための術(すべ)を身につけているという意味も持っているのです。

考え方を変えましょう。捉え方を変えましょう。皆さんの心の変化が、不安を「安心」に変換してくれるのです。変換方法は皆さんが一人ひとりが持っています。その場に合った方法を試してみてください。そうすれば、皆さんは不安を抱かずに日々の勉強に余裕を持って取り組むことができます。皆さんなら、「受験当日の自分は今の自分よりずっと成長しているぞ」という強い意思を持って、受験に向かって邁進することができます。

 

「こう、ありたい」

「新(あらた)しき年の始の初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)」万葉集の編者、大伴宿禰持(おおとものすくねやかもち)が最後に据えた一首です。「新しい年の初めの初春の今日降る雪の様に積もれよ良い事」という大意です。雪の風景は幸運をもたらすと信じられていました。雪が幾層にも積もるかのように、良い事がいっそう重なってほしいという願いが感じられる歌です。

私が大学時代を過ごした長野県松本市は雪の多い地域ではありませんが、気温がかなり低いので雪が溶けずに地上に舞い降ります。目を凝らして見ると、雪の結晶がそのまま積み重なっていることが分かります。その形は気象条件によってさまざまですが、羊歯状か樹枝付角板だったような記憶があります。いずれにしても、一つひとつの結晶が本来の形を保持して重なっている純白で無垢な光景は、美しさとともに力強さを感じるものでした。

松本という地名は、旧領を回復した小笠原氏の「待つ事久しくして本懐を遂ぐ」という言葉に由来すると言われています。「待つ」と「本」から「松本」と改名したわけです。本懐とは「もとからの願い」という意味です。どんなに時間がかかろうとも、自分の本望を忘れずにやり遂げる。そこにも、純白で無垢な心があり、その心は美しさと力強さを兼備しています。雪の結晶のような本来の自分の姿、その中には「本懐」があります。「こう、ありたい」という願いを心に持ち続けるとき、人は幸運をもたらす言動を創り出すことができるのでしょう。

「新年」

新年、明けましておめでとうございます。令和2年の幕開けです。令和元年は8ヶ月だけの年でしたが、今年は12ヶ月の年です。そして、小学校6年生にとっては、中学校に進学する大きな節目の年です。中学校3年生にとっては、義務教育を終えて高等学校に進学する自立の年と言ってもいいでしょう。

日本では江戸時代から、年が明けると目上の人の家を訪れて、新年のご挨拶をする風習があったそうです。いわゆる「年賀」という習わしです。しかし、相手の家が遠い場合は、手紙で年始の挨拶を送るようになり、それが今の「年賀状」という営みになったそうです。お世話になった方々を訪ねて、直接旧年中の御礼を申し上げ、「今年もよろしくお願いします」という言葉とともに自分の意気込みをお伝えし、近況報告をする。年賀も心がこもっていていいものです。それが叶わない場合は、文字で御礼と抱負と近況をお伝えする。年賀状も温かみがあっていいものです。

しかし昨今、皆さんを始め多くの人々が、メールやラインなどのSNSを利用して新年のご挨拶をしています。全員に同じ文面を送る人もいれば、一人ひとり違う文面を贈る人もいるでしょう。あるいは、文字ではなくフェイスタイムを使っている人もいるでしょう。年賀から年賀状へ、年賀状からSNSへ、そして、文字から声と動画へ・・・。

どんな手段を使ってもいいと思います。その中に、御礼の気持ちと自分の思いが詰まっていれば、温かい一年を過ごすことができるでしょう。皆さんに幸多い日々が訪れることを心からお祈りしています。