「正しい路」

2021年度中学入試第1回説明会を、本日行いました。昨年の2倍の受験生・保護者の方をお迎えし、入試体験と説明を丁寧にさせていただきました。その中で、本校高校3年生の座談会を行い、看護学部・文学部・映像学部・グローバル教養学部に進学の決まった4人の生徒たちが、中村での6年間を語ってくれました。

入学時は成績が学年で下位でしたが、諦めずに地道に努力を重ねた生徒。小学生の時から思い描いていた看護師という夢を貫いた生徒。自分の興味・関心を大切にして学部を選んだ生徒。1年間の留学を経て、新しい夢を見つけた生徒。それぞれが、中学1年生からの悲喜こもごもの思い出を語り、自分の成長を再認識するとともに、ご両親、恩師、学友への感謝の言葉を述べていました。

その中に、大学卒業後の進路が明確でない生徒が一人いました。そのため、大学の学部を選ぶ時にかなり迷い、受験する直前までその迷いを拭い去ることができずにいたそうです。その時考えたことを、以下のように話してくれました。

「この学部に行って正解かどうか分からない。きっと、誰にも分からないことだ。もしかしたら、間違っているかもしれない。でも、はっきりと言えることが一つある。それは、正しいかどうか分からない進路に進んでも、自分次第でその路を正しくすることができる、ということだ。」

考えながら行動する、行動しながら考える。自分の気持ちに誠実に向き合い、柔軟に環境を受けとめ、正しい路を創っていく。そんな生徒たちが、3月10日に卒業していきます。

「花ひらく」

中学校受験をやり遂げた小学校6年生の皆さん、「最後まで走り続けるぞ!」という気持ちを持ち続け、辛い時にも諦めずに取り組み続けてきた皆さんに、私は大きな拍手を贈ります。よく頑張りました。

結果も大事です。でも、それまでに皆さんが続けてきた努力のプロセスが尊いのです。お母さんやお父さんは、自分に真正面から向き合いながら、そして、自分で自分を奮い立たせながら、前に進んできた皆さんの姿に、深い喜びを感じていると思います。

40年前、私のもとに1通の電報が届きました。「コマクサノハナヒラク」大学合格を告げる知らせです。今のようにネットでの発表はありません。大学の掲示板を見に行くか、受験当日に電報をお願いしなければならなかった時代です。

「コマクサ」は高山植物の女王と言われています。淡紅色の美しい花もさることながら、他の植物が育たないような高所の砂礫地という厳しい環境に生育していることもあって、女王と言われています。地上に見えている花茎は10センチほどですが、根は100センチほどもあります。花言葉は「気高い心」。困難な状況に出会っても、見えない所でしっかりと地道な努力を続ける、そんな誇り高い生き方が花言葉にも表れています。

中学受験を経験した皆さんは、辛い状況でも努力を継続することができる「コマクサの根」を持っています。これこそが、受験を通じて身につけた皆さんの強みです。この長所はこれから一生、皆さんの幸せを支えてくれます。そう考えると、今の時期の皆さんの心の中には、コマクサの花だけでなく「福寿草」の花も咲いていると言えるでしょう。福寿草の花言葉は「永久の幸福」です。